ED(Erectile Dysfunction)は、かっては「Impotence」と呼ばれていた症状のことで、陰茎の勃起の発現や維持が出来なくなるために、満足にセックスを行えない状態のことです。
かなり多くの人が悩んでおり、成人男性の4人に1人、50代~60代では2人に1人が該当すると考えられています。
この症状を改善するために開発されたED治療薬の中で、最も新しいのが2003年にアメリカの製薬メーカーのイーライリリから発売された「シアリス」です。
2007年には厚生労働省から承認されており、日本イーライリリとライセンス契約を締結した日本新薬により国内でも提供されています。
最新のED治療薬ということで、これまでになかったような内容を備えており、多くの人から支持を集めています。

シアリスは他のED治療薬に比べて持続時間が長い

シアリスの他のED治療薬と比較した場合の最大の違いは、持続時間が非常に長いという点です。
具体的には、10mgで最大24時間、20mgであれば30~36時間です。
このために、食事や睡眠を挟んでプレイを楽しむことも可能です。
なお、このように持続時間が長いということで、シアリスは他のED治療薬よりもキツイというイメージを持たれがちですが、実は全く反対です。
つまり、マイルドな効果が長く続くという内容で、身体への負担はそれほど大きくないということです。
ちなみに、シアリスの持続時間が長い理由は、配合している有効成分の「タダラフィル」の化学構造が関係しています。
具体的には、ブロック状の構造をしているために水に溶けにくく、服用してから吸収・分解するまでに時間がかかることになります。
このために、タダラフィルが血液に溶け出すスピードも緩やかになるので、じわじわと長く効くという結果に繋がります。
これに対して、他のED治療薬に主成分として配合されている「Sildenafil」と「Vardenafil」は、水に溶けやすいので血液にもスムーズに溶け込み、スピーディーに作用が発揮します。
しかし、その分有効成分は短い時間しか体内に留まることが出来ないので、持続時間はかなり短くなってしまいます。
このように、シアリスは、3種類のED治療薬の中ではかなり特殊な性質を持っており、使い方も他とは違っています。
つまり、短期的な効果を得るために服用するのではなく、長期戦を視野に入れているような場合に用いるのが適当ということです。
特に、一般的には多く取り扱われているタダラフィル20mgを服用した場合は、最大で36時間と丸1日以上も効果が持続するので、翌日に思わぬ予定が舞い込んできたようなケースにも十分に対応することが出来ます。

シアリスは食事の影響を受けにくい

また、シアリスは栄養補給により作用が阻害されることはないので、途中に食事を挟んでも問題ありません。
このために、しっかりと栄養を補給した後にプレイに臨むことが出来るので、身体への負担も少なくて済みます。
このように、シアリスは持続時間が長い上に栄養補給も可能であり、有効成分の作用が切れるまでに急いでセックスを終わらせなければならないという精神的なプレッシャーを大きく軽減することが出来ます。
これが、精神的にゆとりを持つことにつながるので、プレイにも良い影響が及ぶことを期待できます。
一方、シアリスは効果が発現するまでには、3時間程度かかってしまいます。
これは、20~30分ほどで効き目が現れるVardenafilや、30分~1時間程度で発現するSildenafilと比較すると、かなりスローモーです。
このために、急いで何とかしなくてはならないという場合の使用には不向きで、時間的に余裕があるときにのみ服用するのが適当です。

シアリスの販売と薬価について

なお、シアリスは日本イーライリリから日本新薬を通して、国内のクリニックで処方されています。
有効成分のタダラフィルの配合量により、5mg・10mg・20mgの3種類に分類しています。
当然、配合量が多いものほど持続時間が長くなるので、値段もそれに応じて高くなります。
ただし、ED治療は健康保険が適用されない自由診療に分類されるので、ED治療薬の費用は全額自己負担の上に、クリニックにより金額には違いがあります。
シアリスにかかる値段は1錠当たり、5mgが1500円、10mgが1700円、20mgが2000円が平均的な相場です。
ちなみに、タダラフィルの含有量の違いは、血中濃度の高さと関係しており、効果の強さに比例しています。
具体的には、服用後3時間での血中濃度が5mgと10mgとでは約1.7倍、5mgと20mgでは約3倍の違いがあります。
この血中濃度の違いにより生じる効果の違いとは、分かりやすく言うと勃起の強さが違うということです。
つまり、強くて硬い勃起を実現したい場合は、20mgを選択するのが最適ということになります。

シアリスが誕生した経緯とは

シアリスは、2003年にアメリカの製薬メーカー「イーライリリ」から販売されたED治療薬で、最大で36時間という長い持続時間が特徴です。
このために、1錠で週末をカバーできるということで、「ウイークエンドピル」という異名を持ち、アメリカやヨーロッパで人気を博すことになります。
特に、フランスとスペインでは顕著であり、ED治療薬の中でナンバーワンのシュア率を記録しています。
なお、シアリスが他のED治療薬と違う特徴を有しているのは、違うコンセプトで開発されているからです。
正確に言うと、他のED治療薬の弱点を改善するために研究が進められた結果、誕生しています。
ちなみに、他のED治療薬の持つ弱点とは何かというと、短時間で効き目が消失してしまうということです。
これにより、時間制限付きというプレッシャーがかかるので、余裕をもってプレイを楽しめないというケースも起こり得ます。
せっかくED治療薬を服用したにも関わらず満足が得られないというのでは何もならないために、シアリスでは効果が長く続くということを重視して開発されることになります。
その結果、採用されたのが、ブロック状の化学構造をしているタダラフィルです。
服用してから分解・吸収するまでに時間がかかるので、体内に取り込まれるスピードもゆっくりとなり、効果の持続時間も長くなります。
これにより、他のED治療薬の5倍以上という長い持続時間を実現しています。
なお、シアリスはアメリカで販売されてから2年が経過した2005年の9月に厚生労働省への承認申請が行われます。
そして、2007年の7月31日に製造販売承認を取得し、同年の9月12日に日本イーライリリから医療機関向けに販売されることになります。
その後、2009年に日本イーライリリから「日本新薬」へと販売移管されます。
具体的には、日本イーライリリが製造販売元で、日本新薬が発売元という内容です。
なお、国内の製薬メーカーが発表した資料によると、勃起障害を有する外国人の患者223例に対して、10mgでは投与後26分、20mgでは16分後に効果が認められています。
さらに、勃起障害を有する日本人患者343例を対象としたパートナーへの挿入の成功率に関するデータは、10mg投与の場合が81.1パーセント、20mg投与では82.0パーセントとかなり高い数値が確認されています。
また、勃起障害を有する外国人患者1143例のセックス時における勃起持続時間は、シアリス20mg投与の73パーセントが、24時間~36時間と報告しています。
このように、複数のデータから導きだされた結論は、シアリスは約80パーセントのED患者の勃起を回復させたということで、さらに長時間その状態を続けることが可能です。
これが、海外で人気を集めている理由で、世界100か国以上で1000万人以上の人に利用されています。
ちなみに、日本では販売開始してからの年月が他のED治療薬よりも短いために、知名度という点では十分ではありませんが、既に10年間が経過したということから内容について理解している人も増えてきています。
このために、他のED治療薬からシアリスに乗り換えたり、状況に応じて使い分ける人も増加しており、シュア率は年々上昇しています。
シアリスに主成分として配合されているタダラフィルは、難病指定されている肺動脈性肺高血圧症の治療薬として2009年12月から「Adoshiruka」という薬剤名で販売されており、2014年1月17日には前立腺肥大症の治療薬としても厚生労働省から承認されています。
こちらの医薬品名は「ザルティア錠」で、タダラフィルの含有量は、2.5mgと5mgの2種類です。
このように、シアリスに配合されているタダラフィルは、3つの症状に対して効果を発揮する特殊な成分ということになります。

現在はシアリスのジェネリックも存在している

長時間の効果作用があるシアリスはジェネリックが存在します。
国内では厚生労働省が認可したシアリスのジェネリックは2017年現在まで存在しません。
一方、海外を見ると存在して、タダリス、メガリス、タダシップなどが挙げられます。
この3つのジェネリック医薬品はすべてインドの製薬会社から製造販売されていて、何故全てインド製かと言うとシアリスはまだ特許期間が切れておらず、成分や製造方法が明らかになっていません。
インドでは医薬品特許の「物質特許」が認めておらないため、成分はシアリスと同じでも、製造方法が異なれば製造・販売しても問題ないと言われています。
ですので、シアリスのジェネリックを入手するには海外の通販サイトから個人輸入する方法があります。
通販サイトの中には偽物を扱う医薬品も存在するので、注意が必要です。
正規品を取り扱うサイトを見つけるためには口コミを参考にしたり、クレジットカード決済ができる通販サイトを見つけるのがリスクを減らす方法の一つです。

シアリスを服用しても性的刺激がないと勃起しない

ED治療薬シアリスの作用機序は、加水分解酵素の5型Phosphodiesterase(PDE-5)の酵素活性を阻害するという内容です。
このPDE-5は、海綿体の血管を収縮して勃起を収めるという役割を担っているもので、Cyclic guanosine monophosphate(cGMP)という環状ヌクレオチドに作用します。
ちなみに、勃起が発現するのは、性的刺激をきっかけに脳から神経を介して一酸化窒素が放出されて、男性性器の中でcGMPが増加して血管を拡張し、海綿体への血流量が増加することによるものです。
その後、射精などをきっかけにPDE-5が放出されて、勃起を鎮めます。
つまり、cGMPが海綿体に血液が流れ込む入口の門を開ける役割があるのに対して、PDE-5は閉める働きを行うということです。
健康的な状態であれば、この門の開閉はスムーズに行われるので、男性性器はきちんと勃起して射精により収まるのですが、cGMPの分量は加齢やストレスなどの原因により減少するケースがあります。
一方のPDE-5の生産量は変わっていないので、使用される機会が少なくなるために相対的に多くなります。
つまり、海綿体に血液が流れ込む門の入り口が開きにくくなっており、せっかく開いたとしてもすぐに閉じてしまうということです。
このために、ED治療薬によるPDE-5阻害という作用は、海綿体へ血液が流れ込む妨げとなっている問題を改善するということで、結果的に勃起が発現するという仕組みです。
このために、どのような原因のEDであっても効果は発揮されます。
ただし、PDE-5阻害以外の作用はないので、勃起の発現自体を促すという効果はありません。
つまり、あくまでも性的刺激が必要ということで、何もない時に機械的に作用するということはありません。
また、滋養強壮や疲労回復などを含めて性機能を改善する精力剤と混同されがちですが、シアリスにはこのような効果は期待できません。
これは、PDE-5阻害以外の作用はないからで、タダラフィルの血中濃度が低下するに従い効き目は少なくなり、体外に完全に排出された時点で効果は終了となります。
つまり、継続して服用しても効果が蓄積されることはないので、シアリスにより勃起が可能なのは有効成分の血中濃度がゼロになるまでの間だけです。
これを他のED治療薬よりも長く引き伸ばしているという点が特徴ですが、PDE-5阻害により陰茎部への血流量を増加させるという仕組みj自体は全く同じです。
さらに、シアリスなどのED治療薬は、いわゆる媚薬のように性的刺激に対しての感度を高めるという効果もありません。
このために、服用したからといって少しの性的刺激でビンビンになるということはないので、セックスに至るまでの準備は通常と同様に必要となります。
また、栄養補給により精力を増強するという効果もないので、精液の量が増えることもありません。
このために、有効成分が体内にとどまっている間は、性的刺激をきっかけにPDE-5阻害による勃起の発現を何度も起こすことは可能ですが、回数を増やすごとに射精時のエクスタシーは少なくなります。
これは、いわゆる空撃ちと呼ばれる状態になるからです。
このように、シアリスなどのED治療薬には多大な効果を期待されていますが、作用機序は極めてシンプルであり、備わっている内容以上のメリットを享受することは出来ません。
このために、内容について十分に把握した後に使用するのが適当です。
過剰な期待をかけて思うような効果が得られなかった場合は、失望することによりさらにEDが深刻な状態になる恐れがあります。
これでは、さらに薬に依存するようになるので、健康に対しての悪影響が懸念されます。
このために、シアリスは性的刺激がないと勃起できないということや、性欲の向上や精力増強などの効果はないということを認識してから服用するのが適当です。